資金調達とコスト

個人を含む多様な資金源から資金を調達できるため、金融機関からの借り入れに比べて金利などのコストを低く抑えることができます。資金を提供してくれる人が多ければ多いほど、その資金が提供される可能性は高くなります。その結果、需要と供給の関係から、お金の値段(コスト)としての金利が下がることがあります。しかし、実際には、金利の低下はあまり期待できません。その理由は大きく分けて2つあります。一つは、銀行から借りるのではなく、証券で資金を調達するには、投資会社への手数料や情報提供のコストなど、金利以外のコストがかかること。さらに、会計情報の作成には、会計士や税理士への追加報酬が必要になることも少なくありません。実際の資金調達コストは、これらのコストと調達した資金の利息の合計となります。これらのコストは、銀行ローンの金利と比較する必要があります。資金調達の金利に加えて、固定費の要素があることにも注意が必要です。固定費とは、ファンドの規模にかかわらず、常に一定の金額が必要となることを意味します。大規模な医療機関であれば別ですが、通常の医療機関では募金額が少ないため、固定費が必要な場合、募金額に占める実費負担の割合が高くなる可能性があります。また、短期的な資金調達であることを意識することも重要です。これは、固定費が各期間に比例して配分されるため、資金調達期間が短いと、資金調達コストが大幅に高くなるためです。例えば、償還金を単純に清算したり、証券化したりすると、償還金が短期間で回収され、資金が不足してしまいます。そのため、資金のコストが高くなってしまうのです。もう一つの理由は、医療機関の信用力があってこそ、資金コストが下がるということです。これは、医療施設の継続的な資金調達においては、どのような方法であっても、借り入れた資金の金利は施設の信用度に大きく左右されるからです。医療機関や社会医療法人の借入金の金利が、医療機関の信用度に応じて決まるのは当然のことです。一方で、資産の証券化によって調達した資金の金利は、資産の信用度に依存するはずです。しかし、医療機関の場合、資金調達の手段として資産を証券化すると、ローンの価値と医療機関の経営が表裏一体となってしまいます。都心の一等地でない限り、医療施設の土地や建物の価値は、その立地条件に強く影響されるからである。また、診療報酬債権の場合、将来の債権の量や質(投資収益率など)は、医療機関の経済状況によって決まります。いずれにしても、実際の資金調達コストは、個別のケースを見てみないとわかりません。それを知るには、ブローカーやコンサルタントに相談するしかありません。冒頭で述べたように、今回の調査結果はあくまでも指標であることに留意する必要があります。

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